今回は授業紹介2回目ということで前回と同様に
実際に行った授業を紹介していきたいと思います。
前回の計算の続きとして行います。
また、【授業づくりの心構え】も同時に見ていただければ幸いです。
今回の流れは
〇授業の構成 ⇦本題です。
〇授業中のポイント ⇦本題で伝えたいことです。
の流れで書いていこうと思います。
クリックしてもらえればその記事に飛びます。
よろしくお願いいたします。
授業づくりで考えること
今回の授業でまず考えることは、第1回の授業で培った
「もしかしたら出来るかも…」という気持ちを
いかに無くさないか、高校からでもやれば出来るかも…
という半信半疑のところを固めていくことを目標にしています。
誰にでも取り組め、かつ実践に取り入れられるものを考えました。
その中で彼らに今必要な力を考え、自分の力で取り組める
こととして探していきました。
次の範囲が次数、係数など計算技術というよりも知識的な所も含め考える内容です。
今回の狙い
今回の数学的な狙いは「引き続き中学計算の復習と数学用語の確認」です。
裏の狙いは「情報を仕入れまとめる力」です。
自分の知りたい知識を教科書、インターネットなどを駆使して
情報を取り入れ、それを自分なりに解釈してまとめる力です。
今の生徒達はSNSや携帯ゲームなどには詳しいですが、
以外と物事を調べることや情報を取り入れる使い方はまだまだ使えていません。
将来的に志望大学を調べたり、興味のある学部学科や
就職先などを調べさせるようになるので
この調べる力は彼らには必要不可欠な力だと考え、この目標にしました。
授業の構成
それではこれから授業の構成を紹介します。
まずはざっくりと流れを説明しますが、注意点、力を入れる点は
この後話しますので、納得いかなくても読み進めていただければ幸いです。
~授業開始(50分授業設定)~
①出欠確認、プリント配布、必要なものを提示、準備 5分
②今回の授業内容・意図の説明 5分
③生徒活動 20分
④解説 15分
⑤演習 10分
で50分授業を行います。
①配ったプリントはこちら⇩です。
表が生徒活動(授業内容)、裏が演習といった構成になっています。
⇩(左が表、右が裏です。)⇩
今回はプリントを配りながら、生徒たちに調べるツールを準備させます。
教科書、ipad、携帯など調べるツールは学校によって異なると思います。
今回は生徒全員がipadを持っていたのでipadと教科書を準備するよう指示しました。
②今回の内容と狙いを生徒たちに説明します。
今回は調べ学習をします。
数学で出てくる用語に対してざっくりとは理解していると思いますが、
今回は自信を持って答えられるよう、しっかりと理解してもらいます。
ここで調べ学習をする意味もしっかりと説明します。
その意味に関して詳しくは授業のポイントでまた説明します。
③教員側はタイムキーパとヒントに徹します。
生徒が活動しやすいように声掛けをしながら、机間巡視します。
時間を確認、広げながら生徒の様子を見て様々な声掛けをします。
④解説として調べた内容を簡単に紹介します。
あらかじめパワーポイントにまとめておいたものを使い、
1つ1つのワードに対して簡単に説明していきます。
⑤最後に演習としてプリント裏面の問題を解く時間にして終了です。
先生のやることとしては前の黒板に解答を貼り、いつでも見に来れるようにすること。
学びあいの形になるよう生徒達を誘導する役割のみです。
出来るだけ教科指導には入らないようにします。
授業中のポイント
①では準備物の使い方、ルールを明確に伝えることが大切です。
特にスマートフォンやiPadを使用する場合は学校ごとにルールがあったり
学校内でルールがなくてもこちらで指示しておかなければなりません。
伝えないといけないこと
1.授業の内容のみで使用すること
2.授業中の使用に対して先生と生徒、
お互いの信頼関係の元この授業を行っていること。
3.人の迷惑になる使い方は絶対にしないこと。
2に関しては授業中に
「授業と関係のない使い方をするな!」と言いたいのですが
ここは情に訴えかけていくスタイルで行きたいと思います。
お互いの信頼関係のもと、君たちなら自分を律して
出来ると思いこの授業にしていること、
この条件を飲めない場合は
今後iPadを使った授業は出来ないことなどを伝え、
彼ら自身に私用で使わない方がいいな…と
思ってもらえるよう声かけをします。
この声かけは最初だけでなく授業中に何度か行います。
忘れて、欲求に負けないように、思い出させるように声をかけ続けます。
言い続けることが大切だと思います。
②今回の目的は「情報を仕入れまとめる力」であることを伝えます。
将来的に大学や進路に関して調べる際にこの調べる力が必要であること、
知りたいときに調べられる今の世の中で
この調べるスキルが重要であることを伝えていきます。
具体例があれば彼らにも親近感がわいてくると思いますので
3年生の進路選択の話や
困ったことなどがあればそれも伝えていきます。
③ここでは制限時間を設けて、タイムキーパーに務めます。
「後〇〇分です。」~と時間を意識させることで
一つのワードにこだわらないようにさせます。
調べていくと一つのワードに対して結構な情報量が出てくるので
ある程度で次にいってもらうために時間を意識させ
出来るだけ全ての項目を自分の力でまとめさせるよう声かけをします。
また、調べ方で悩んでそうな様子があれば、
「こう調べたらいいんじゃない?」と
調べるワードを変更させてみたり、
色々な対処法を考えながら発信していきます。
④まとめでは一言で言えるように簡単にまとめること
具体例を交えた説明をすることを意識します。
生徒目線として「自分の調べたものが一番」になれば良しです。
「具体例だけ写しとこうか…」ぐらいで見てもらえたら成功です。
⑤最後の演習では生徒主体で学び合いをしてもらいます。
今調べた内容を実際に問題として出てくる言葉がリンクするか、
何を聞かれているかを明確に捉える練習です。
また、平方根の計算は言葉の意味だけ知っても解けないので、
出来る生徒と出来ない生徒が協力して解くように誘導します。
どうしてもスラスラと解ける生徒は暇になってしまうことが多いので
悩んでいる生徒と結び付けてWin-Winの関係づくりを心がけます。
生徒の立ち歩きは良し!存分に聞きに行きなさいと誘導し
その代わり授業外のことをしていたら指導します。
序盤の段階でスモールティーチャーを作りに行きます。
スモールティーチャーとは生徒の中で
演習の時間に数学教員の役割をしてくれる生徒のことです。
この仕組みをクラスの中に何人作れるかで今後の
行動のしやすさが変わってきます。
学年授業の初めに作るように心がけましょう。
全員が解けたら授業は終了です。
時間が余っていたらワークをさせます。
暇な時間をなるべく作らないことが大切です。
授業をしてみた結果、雰囲気
実際に授業をしてみた結果、やはり性格上色々な生徒がいて
1.一つを詳しく調べたい熱血タイプ
2.難しい文章を解読しようとする真面目タイプ
3.1つ調べてわからなければ放置する無気力タイプ
などなどやはり生徒の数だけ色々なタイプがいます。
そこでそういう困っている生徒にはアドバイスをすると同時に
同じ悩みを持っていそうな人の為に全体で共有しました。
特に無気力タイプには根気強く声掛けをして
やればできるのだという感覚をつかむまで
粘り強くついていかなければいけないと感じました。
また、色々な声掛けをしてもやはり性格上曲げられないところもあり
後半になると教員側の説明を写している生徒も数人いました。
次回の調べ学習にも繋がればともう一度目的と目標を伝え
こうなってほしいというものを伝えました。
問題を解くときはある程度の塊が出来て
いい活動ができたのではないかと思います。
中学校の復習でもありますが
おろそかにすると後でズルズルと響いてくる所なので
しっかりと活動して復習に務めることで
数学が苦手な生徒も得意な生徒も達成感を持ちながら授業が進められたと思います。
最後に
今回のような調べ学習は色んな分野で対応できることだと思います。
例えば教科が違えどこの調べる力は必要とされますし、
自分で興味を持って調べたこと、まとめたことの方が身に付きやすいです。
興味関心が持てそうな分野こそ調べ学習を取り入れてみてほしいです。
知りたいこと ⇒ 調べる ⇒ まとめる
といった流れが生徒の中に出来ればと思います。
リモート授業が続き、勉強できる時間が増えたからこそ
教材研究に時間をさければいいなと考えています。
今後もリモート授業のことなどをどこかで話せたらなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
以上 いぺんじゅ先生でした。